ピアノ初心者の方の中には、楽譜を使ってどのように練習を進めていけばいいのか戸惑う方もいるのではないでしょうか。そんな方のために、楽譜弾きの練習工程を、段階を踏んで進められるように順を追ってまとめました。また、見落としがちな注意点もまとめてありますので、併せてご覧いただけたら幸いです。
楽譜弾きの練習工程流れ
共通工程
片手で練習する時も両手で練習する時も、下記2点を踏まえて練習しましょう。
1.テンポはゆっくり、慣れてきたら一定のテンポで弾く
はじめは止まるくらいゆっくりのテンポで大丈夫です。一音一音確認しながら弾いていきましょう。慣れてきたら、部分的にテンポが速くなったり遅くなったりしないようになるべく一定のテンポで弾くことを意識して、徐々に練習曲本来のテンポに近づけていきましょう。
2.小節毎に練習

小節毎に区切って練習しましょう。
毎回曲の最初から最後まで通しで練習すると曲を覚えるまで時間がかかりますし、練習内容がダラけてしまって効率が悪くなります。小節毎に繰り返し練習をすることで、部分的に集中して曲を覚えることができます。最初の小節が弾けるようになったら次の小節、次の小節と、弾ける小節を増やしていくことで最終的に1曲通して弾けるようになります。
いくつかの小節が弾けるようになったら、弾けるようになった小節を通しで練習することをオススメします。例えば、1~4小節のそれぞれの小節が弾けるようになったら、1~4小節を続けて通しで弾いて曲の流れを部分部分で掴んでいく練習も同時進行でしていくといいでしょう。
工程1:右手で弾く練習
楽譜の右手部分のみ弾いていきましょう。
曲全体を通して、次に押さえる鍵盤をほぼ迷わずに弾けるようになるまでは右手のみ繰り返し練習しましょう。最初から最後まで通しで弾いて、感覚的に8割ほど弾き方を覚えたと思ったら工程2へ進みましょう。

工程2:左手で弾く練習
楽譜の左手部分のみ弾いていきましょう。
通しで弾いて、感覚的に5割ほど弾き方を覚えたと思ったら工程3へ進みましょう。

工程3:両手で弾く練習
右手をメイン、そこに左手を合わせていくイメージで弾いていきましょう。
ピアノを両手で弾くのと片手ずつ弾くのとでは弾いている時の感覚が異なるので、慣れないうちは「工程1:右手で弾く練習」で8割ほど覚えたはずの右手の弾き方も、曲の途中で所々忘れてしまうでしょう。
しかし、練習を続けて両手で弾く感覚に慣れたら右手はさほど意識しなくても自然と動くようになります。あとは右手に合わせて左手を練習していけばいいので、両手弾きに慣れた後は、左手8割右手2割くらいの意識でなるべく左手に意識を向けて練習するとよいでしょう。
通し練習時の注意点
最後に一点、地味に大事なポイントをお伝えしておきます。
曲のはじめから最後まで通し練習をする時は、
途中で間違えてしまっても止まって弾き直さないで最後まで弾き切りましょう。
あまり重要に思っていない方がいるかもしれませんが、曲が弾けるようになる仕上げの時には非常に大事な点になりますので、以下説明していきます。
両手で弾くことに慣れて、全体的にある程度曲を弾けるようになって通し練習を始めた時に、最初から1音も間違えないで弾けるなんてことは中々ないと思います。そこで多くの方が反射的にやってしまうのが、間違えた部分の弾き直しです。
通し練習で弾き直しをしてしまうと、間違えた箇所で毎回止まってしまうクセがついてしまいます。はじめから最後まで流れを止めないクセをつけるために、途中で間違えて止まってしまいそうになっても弾き直さないで最後まで弾き切りましょう。
まとめ
ピアノ曲は部分的な練習を繰り返し行い、部分的練習範囲を拡大させていくことで、結果的に1曲弾けるようになります。慣れないと弾けるようになるまで時間はかかりますが、練習すれば少しずつ確実に弾けるようになっていきます。練習を続けて中々弾けなくても、次の日サラっと弾けてしまうこともあります。すぐに弾けないからといって諦めず、自分のペースでいいので練習を継続して続けましょう
継続的な練習方法については下記の記事をご参照ください。

また、今回紹介した練習工程の流れはあくまで基本的なものです。練習に慣れてきたら、自分が捗りやすい工程で練習を進めるようにしましょう。
記事の内容は以上になります。ピアノの練習方法に悩んでいる方は、この記事を読んで少しでも参考にしていただけたら幸いです。